=凪=
「…………ちがっ!」


やっと振り絞った声と共に、我慢していた涙が頬を伝った。



それを手の甲で拭いながら、私はクルミから視線を外さず言葉を続けた。



クルミは、黙って聞いていた。



「先輩は…私のことなんて・・・・」



それまで黙っていたクルミが、言葉を挟んだ。



「好き……だと思うよ。セブンセンシス(第7感)。私は、恋愛に関しては外さないんだよねぇ」



そして、私の肩に手を乗せ、口元を耳に近づけ、こう囁いた。



「実はね、二人には、上手くいって欲しいと思ってるんだよ」



ぎょっとする私に、本当だよと笑うクルミ。


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