=凪=
「私ね、最近声をかけてくれる男の子がいるの」


クスッと笑って、話しを続けた。


「その人も、ちょっといいかなぁなんて思ってるんだ」



「クルミ?だって、さっき……」



「あぁ、あれ?カマかけたのよ。ナギが、どう思ってるのか知りたくてさ」



私は、ビックリして懸命に、言葉を探した。


「それに……それに、あの時の手紙……」



「ん〜〜手紙か……読んでくれたんだ」


「うん」



「ありがとうね。でも、流石に何ヶ月も振り向いてくれない男ばかり追ってたら、錆び付いちゃうじゃない?」



あっけらかんと言い放つクルミに、固まってしまった。



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