=凪=
『クルミは、綺麗だから、クルミを好きだと言う、男の人がいたって不思議じゃない。でも……』



クルミの背中を見つめる。



『クルミは、苦しくなかったの?私は、苦しいよ……』



いたたまれない思いに、雑踏を歩いた。



そして駅の改札口。



前を歩いていたクルミが突然、振り返った。



「答えは、きっともうすぐだよ。私の勘を信じなさい♪」



それまで何も話さなかったクルミは、別れ際に満面の笑みでそう言ったのだ。



私は、答えることが出来ず、彼女の強さと、友情をただ、すごいと思った。



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