=凪=
しばらくして、やっと携帯を開いた。



内容は、菜津子の結婚式の事だ。


そして、がんばれよの文字。



「菜津子、連絡…早いよ」



涙顔から、少し笑みがこぼれた。



でも、尾沼さんの優しさを感じても、先輩を好きだという気持ちは変わらない。



そんな頑固な自分が、つくづく嫌いになる。



そして、そのメールが送られた数日後に、男達の話し合いが行われた事を、私は知らなかった。



そして、その話し合いの結果が、結婚式の後に知ることになるなんて、思いもよならない事だったのだ。



いつも、私の知らないところで、話しは進んでいた。



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