=凪=
「ねぇ、なんで挨拶だけだったのよ?」



突然、クルミに突かれた腕と質問が、私を現実に戻した。



「えっ…?」



式の前の仕事で、受け付けにいた私達。



もちろん陸さん側の受け付けのには、お約束のように先輩と尾沼さんが立っていたのだ。



その二人の間で揺れている私には何も言える訳がなかった。



そして先輩達も、今日あまり絡んでは来なかったのだ。



「まぁ、今日は、バタバタしてるからね。後で、ちゃんと話しをしなよ」



クルミが、少しきつめにそう言った。



私は、このままがいいと思いながらも、うんと、返事をした。



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