=凪=
クルミの言葉で、二人を交互に見た。



『いつも優しい尾沼さん。辛い時は傍に居てくれる。私を励ましてくれる。そして今、こんなに私を想ってくれている…』



胸がキュンと、痛くなる。



『ありがとう……』



『ありがとう。尾沼さん……こんな私をかばってくれて』



ギュッと目を閉じた。


そして、改めて先輩を見た。



『でも、なんで私は目の前でわがままを言うこの人が……先輩がこんなにも愛おしいのだろう…』



頬に、涙が伝った……


「ナギ……」



突然、クルミに抱きしめられた。



< 256 / 265 >

この作品をシェア

pagetop