=凪=
「今しかないよ……
今、ナギの気持ちを言わなければ、尾沼くんも傷付けるんだよ」



「………。」



「大丈夫だから……」


そう言って、私の背中を優しくトントンと叩いた。



それから、今にも取っ組み合いを始めそうな二人に向き直って言った。



「柳崎さんも、尾沼さんも何が1番大切か、解ってるんですか?」


二人はクルミの言葉に、こっちを見た。



「もうっ!柳崎さんはいっつもそうやってフラフラして、気持ちごまかして!!ナギが好きなら、そう言えば良いじゃないですか?」


「………!!」



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