=凪=
クルミの言葉に、空気が凍り付いた。


『く、クルミ?それは単刀直入すぎ……』


あまりにもはっきりとした切り込みに、涙も止まってしまった。



でも尾沼さんは、やっぱりとでも言いたげに先輩を見ている。



「この間も言ったよな?柳崎」


「お前がさぁ、どうすれば素直になるのか、陸といっつも悩んでたんだよ」


先輩は、下を向いている。


「クルミちゃんみたいにいい女が、お前に言い寄ってくるなんて話しはよくあるのに、誰にもなびかないんだもんな…」



「いや……それとこれとは」



「関係あるでしょ?」


クルミのツッコみが入る。



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