=凪=
怒涛のような出来事のあと、私は先輩と二人で公園に取り残されていた。



気まずい空気が流れる。



「お、送るよ」



鼻の頭を掻きながら空を仰ぐ先輩を見ると、少し素直な気持ちになれた。



「は、はい。お願いします。……先輩」



見上げた私の顔に、先輩の顔がそっと近づいた。



……………。



「寛人……でいいよ。」



甘い、優しいKissと特別な場所をもらった私。



そっと先輩……いや、寛人さんと再会した時から、今日までを思い出していた。



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