=凪=
先輩を殴ろうと、怒っていた顔を上げた。



するとここからじゃ、ちょっと狭い夜空に、小さく星が瞬いていた。



『おじいちゃん……』


星が、大好きなおじいちゃんの顔に変わる。


『私は気持ちの強い娘になってますか?』



『これからは、おじいちゃんのあの大きな手の変わりに、寛人さんが守ってくれます……』


『………たぶん』



夜風が頬を撫でた……


「ほら、置いてくぞ」


「はーい」



私は、大切な男性(ヒト)の腕にしがみついた。


最終章『=凪=』


    =完=



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