=凪=
『この前のお礼だから、必ずきなよ。私のおごりで、更に良い男付きなんだから』


そんな菜津子の強引な言葉と、昼間に思い出した事が、頭の片隅に交互に蘇る。


私は、重い足取りで待ち合わせ場所に急いだ。


時計を見ると5分前だ。


目の前には、にこやかに菜津子が手を振っている。


傍には、たまにランチを一緒にする同僚達の姿が見えた。


そして、少し離れた所に男性達が数人いる。


それが、本日のお相手なのだと、ちょっと気が重くなってきた。



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