=凪=
『そういえば、今日の菜津子は綺麗だなぁー』


お化粧も洋服も、この日に賭けてます風の親友を見つめた。


そして、普段着に毛が生えたような私とは、大違いだと思った。


ウインドに映る自分の姿を見て、思わず苦笑いが出る。


『こうゆう場所ってやっぱり苦手だ』


「ねぇ、ナギ。お店入るって」


苦笑いが見られたのかと思い、ばつ悪く振り向くと同僚の一人が立っていた。


「全員、集まったの?」


取り繕い、そう聞く私に、まだみたいだよと答える背中。


中に入ると言うので皆にならい、お店の一角に自分を置いた。


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