=凪=
はいっと、メニューを渡された。


もちろん、ドキドキは治まらない。


『この人慣れてる……』



「??」


「僕の顔に何か付いてる?んで、何飲む?ついでに、名前も教えて欲しいんだけど」


私を覗き込む、笑顔に潰れそうだ。


不自然に顔をそむけ、下を向いた。


「こらぁー、そこ!ナンパしなーい。ナギが困ってるじゃない」


そうツッコミを入れたのは、菜津子だった。


今日の彼女はやけにハイテンションだ。



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