=凪=
「蓮!!今日は、本当に呼んででくれたでしょうね?」


「誰を?」


「とぼけないでよ!!」


「あいつかぁ。今日は暇だって言ってたから、多分くるんじゃん」


尾沼さんの答えとは裏腹に、菜津子は真剣だ。


そして、二人のやり取りを聞いて、尾沼という男が、菜津子の言っていた友達だと悟った。



会話に入れず、カヤノソトとなってしまった私は、目の前にある、お水のコップに手を伸ばし、一口だけ飲んでみた。


隣りで、尾沼さんが、小声で謝ったのに対して、そっと頷くのが精一杯だった。



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