=凪=
「わるい !! これ、至急なの。今、手ぇ空いてるんでしょ ? 手伝ってよ。」
渡された書類を手に、軽い鈍痛のある後頭部を摩りながら声の主に顔を向けた。
「ん、大丈夫 ?なんか今、飛んでっちゃいそうな顔してるぞ…」
そこにいたのは親友とも呼べる同僚の菜津子(ナツコ)だった。
「ん?大丈夫だよ」
「この書類ね。OK ♪わかった」
そう間を空けて答えた私は、書類に目を通した。
じゃよろしくねと親友はいそいそと自分のデスクに戻っていった。