=凪=
クルミと別れ、踵を帰路に向けると、先輩が駆け寄って来た。


「帰るのか?名取、お前は相変わらず鈍感だな」


「えっ?」


キョトンとする私に、先輩が視線で合図する。


その先には、尾沼さんがいた。


「っとに……物好きもいたもんだ…」


苦笑いをしながら、尾沼さんと、何やらニヤついている。


「な、なんですか?」

不審がる私に、ほれ!と、1枚の紙切れを手渡した。



「……?」



そっと開くと、アドレスと尾沼さんの名前が書かれてあった。



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