=凪=
『何、話してるんだろ…』


後ろを歩く私の眉間は、知らずに寄っていく。


『ランチの時、かなり呆れてたみたいだからなぁ』



目の前の菜津子とクルミ……


二人の会話なんか、聞こえない位置にいるから、不安で胸が一杯になる。



『間に入るのは怖いかも・・・』


ランチの時に、二人から散々と、メールを送らない事を責められた事を思い出した。


『二人とは、違うモン。私は、会ったばかりの男性にメールなんか出来ないよ……』



批判と拒絶、そして言い訳……



この後、ランチの二の舞かと思うと、重力でアスファルトに沈んでいってしまいそうだ。
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