永久色-TOWAIRO-
「危ないっ!!」
不意に後ろからの声に反応してアタシは振り返った。
目の前の人混みでよくみえない……
でも、次の瞬間状況が一変した。
「……っ!!!!!!」
プー------ッッ!!
明らかに信号無視をした車がバンッと鈍い音をあげて急停止した。
「おい………っ。今誰か跳ねたよな……。」
隣から高校生ぐらいの男の子が呟いた。
「誰か!!救急車を呼べ!!早くっ。」
野次馬がどんどん跳ねられた人に向かって集まっていった。
とりあえず、アタシも野次馬の中へ混じっていくがあまりの人で前に進めない。
でも、その必要はなくなった。
誰かが、あの人の名前を叫んだから─────────
「おいっ!!もしかしてこの人…………木之下社長じゃないか!?」