永久色-TOWAIRO-
天使の翼
『最近つかれてるみたいだけど大丈夫か?』
「うん、なんとか。
この前だされたレポートがなかなか手強くて……。」
大学も大詰めをむかえていて、アタシが頭をかかえているところに智也から電話がかかってきた。
『そっか……体壊すなよ?』
「ありがとう。
智也もなにか思い出せるといいね。」
あぁ、じゃあまたな。
それだけにの短い会話。
それだけでも幸せだった。
ただ、付き合っているけれど、智也は昔のアタシを覚えていなくて……。
正直変な気分だった。
アタシは昔も今も智也のことが好きで好きでたまらないのに、智也が好きなアタシは今の自分だけなんだ………。
そう思うと不安にかられる。
「もうすぐで卒業かぁ……。」
外にふる雪をみながらアタシはぼやいた。