永久色-TOWAIRO-
「お皿これでいい?」
食器棚から適当にだしてみせる。
「うん。OK♪」
けっこうバタバタしていたんだと思う。お手伝いさんがあわててきた。
「智也様っ!!私どもがやります。お部屋でお待ち下さい!!」
新人さんなのかな?
ずいぶん若い……。
「あなたは新しく入った方ですか?」
丁寧な口調ではなす智也。これじゃ、嫌われろって言われても無理な話だよ…
「え、あっ、はい!!草野早苗(クサノナサナエ)です!!」
キレイな人……。
「草野さんですか。よろしくお願いします。頑張ってください♪」
ドキッ
言われてもないのに胸がはね上がってしまう……。
「はいっ!!」
彼女は笑顔でさっていった。
「えーと。草野さん草野さん草野さん…」
え…もしかして智也……?
「草野さんのこと気になるの?」
仮にも彼女の前だよ…?
クスクスッ
「ククッ……違うって!!俺お手伝いさんの名前ひとりひとり覚えるようにしてるから。
ほら、俺ってこれぐらいしかできないじゃん?」
偉いなぁ。
なのにアタシなにいってんだか……。