【短編】タコさんウインナー★スーパーウルトラデラックスふぉーえばー
ラストタコさん
その日の夜。ポエムを焼かれた怨みのせいか私は眠れず、水でも飲もうと台所に降りてきた。
両親は既に寝静まり夜も深い。
音を立てぬよう静かに冷蔵庫を開け、中からミネラルウォーターを手に取った。
そこで目に付いた、未開封のウインナー。
口に含んだ水のおかげで一度は消えた怨みの炎。
それなのに、まだ私の中で何かが燃え盛る。
私はそれを復讐と捉えた。
あとはもう、本能だ。
ウインナーを全てゴミ箱へ。食べ物を冒涜する、背徳への帰依。
後悔よりも、私の心には満足感が溢れた。
これはそう、復讐だ。
擁護か、はたまた正当化か。幾度も私はその言葉を反芻(はんすう)した。
はは。
両手を広げ、高揚感に身を任せ私は高らかに哄笑した。
はぜるように、高らかに。
不思議な事に両親は起きてこなかった。