ガラスの靴
「おい! なにやってるんだ お前」


声のするほうに視線を向けたら正耶がいた。


「たそがれてたの」


今の顔を見られたくなかったから私はうつむきながら答えた。


「ふぅ〜ん」


私のことなんてほっておいてよ。


見ない振りして去っていってよ。


ねぇ どうして声をかけたの??


ねぇ やめて…私の中に入ってこないで…。



「真を送って、授業も終わったんだ。



「まぁな」


それなら何も考えずに帰ったらいいのに…。


「なんでここに来たの?」


「お前のブサイクな顔を拝みに…」





まったく こいつは…


なんなんだろう。



てか…なんで 私がここにいるってわかったの?


聞きたかった…。



でも 聞けなかった。
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