ガラスの靴
「席は真ん中当たりで、大人4人。会計は一人ずつで」



とテキパキとチケットを購入する手続きを行う楓。

本当 頼りになる。



「チケットは、私が持ってるからお金払ってきな」



楓はクールに見えて、人一番優しくて、姉御肌ってことは 理解してたはずなのにね。







「ありがとう楓ちゃん。私払ってきたよ」



お金を払い終わると、楓はチケットをくれた。



「ポップコーンとか飲み物はいい?」


「私はいらないから……」


こんな気配りが出来る楓と子供な自分とを
比べると 私の子供っぽさが浮き彫りになってくる。
だから、本当は楓と一緒にいるのが嫌で嫌で仕方なくなるときがあるんだ。



そんなの私の我が侭なんだけどね…。


私がもっと大人になればいいだけの話…


それだけんも話なのに…。
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