ガラスの靴
私は映画の世界から切り離され、どんどん現実の世界に、引き戻される。



「あんなので感動できたんだ。」



口数の少ない正耶が、ポツリとつぶやいたが私はあえて無視をした。



絶対に口喧嘩に、なるだろうと思ったから……。

せっかくの楽しい時間を、壊したくなかったから……。



「そうだ、4人でプリクラ撮ろうよ。」



という私の提案に、目をぱちくりさせる三人。


反応がないので


「いいじゃん。たまにしか撮れないし」


と私が切り出すと


「いいぜ とろう ナミィ」


真はOKしてくれた。


「マジかよ…まぁ~いいけど」


彰も、賛成してくれた。


楓は黙っているけど、彼女が黙ってるってことは彼女も賛成の証。



長年付き合ってて、わかってきた事だけど、嫌な時は嫌って言うけど、賛成やどっちでもよい場合は楓は口を開かない。


言い出せない理由が何かあるんだあろうなって思う。


でも、彼女の心に、踏み込めない。
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