ガラスの靴
動け



動け



バシッ−



部屋に頬を叩く音が響いた。


それから全身を殴られた。


どれくらいの時間殴られたかなんてわからない。


義父の気が済むまで殴ったら……



「すまなかった。本当にすまなかった」


と言ってお金をくれる。


お金で全て解決できると思っているんだろうか…この男は……。



「大丈夫ですから…」


そう言って私は、お金を受け取り、襟を正し自分の部屋に籠もった。



体じゅうが痛い。



本当は痛くて仕方ないのに……。


痛いなんて言葉にすることが出来ない私はなんて臆病者なんだろう。
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