ガラスの靴
本当はわかってた。


楓ちゃんは、個人主義者だから誰かと一緒に行動することが嫌いだってことくらい。


でも、教えてくれたっていいのに…。



『子供みたいなこと言わないで』



楓ちゃんに言われた言葉が心に突き刺さる。



私は何も変わってない。


あの頃から…。


何も…。

「楓さん 
今日サークル行きますか??」



と同級生らしき人物が
楓に声をかけてきた。



彼女はきちんと
切りそろえられた
黒い髪に銀縁の眼鏡をかけた
可愛らしい少女だった。



多分同級生だろうけど名前がわからない。



「行きます。
じゃあ
一緒に行きましょうか
結衣さん。」



と言って楓は私の隣からすり抜け離れ結衣と呼ばれた少女のところヘむかった。



なんで…



「よろしかったんですか?
彼女とお話していたようですが…。」



「いいのよ。
結衣さんが気にするようなことじゃないですから。」



なんで…



どうして…

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