まだ見ぬ未来
第一話
「ねぇ先生、美優は治るんだよな?」
美優の主治医の高橋先生に今買って来たばかりの温かいコーヒーを渡しながら尋ねた。
高「あぁ、きっとな。」
そう言って、高橋先生はコーヒーを一口飲んだ。
「そっか。」
俺の双子の妹は心臓病で本当は治らない病気のはずなのに、誰かに治ると一言言ってもらわないと、俺は安心できなかった。
高「あいつも最近頑張ってるよ。後はお前が支えてやらないと。」
「うん。」
そんな事言われなくてもわかってるけど、どうしても落ち着けない自分がいた。
いつ、いつ美優を失ってしまうか怖かった。
毎日毎日、びくびくしてた。
美優の方が、ずっとずっと怖いのにね。