ブラッディ アリス
ⅩⅤ
「…待って」
玄関の扉を開けようとしたとき、とっさにカイルがアリスの肩を掴んだ。
「…どうしたの?カイル」
アリスはドアノブから手を離し、カイルを見つめる。
「…連れて帰っても…いいかな?」
カイルは言いにくそうにアリスに尋ね俯く。
「……そう。じゃあ、司教の所へはラビと二人で行くわ。カイルは自分の車で帰って」
アリスは呆れたような表情を見せた後、つんとした態度で扉を開けた。
「悪いな…。ラビ…」
「いいよ。アリスのご機嫌とりなら、慣れてるから」
ラビは優しく微笑むと、アリスに続いて外に出た。
「…ふぅ…」
カイルは頭をかきながら、一人食堂へと戻って行った。