ブラッディ アリス
「おそらく、報告文書の件も彼がどうにか上手く運んだんじゃないかと…私は思います。
キオネ様がいつだったか…『ジャックに頼めば全て上手くいく』とおっしゃっていましたから…」
「…そんな……あの…男が…全て…?」
キオネに雇われた、ただの男だと思っていたのに…。
あの男の裏には…何が…?
アリスは眉間にしわをよせて、しばらく考え込んでいた。
思い出すのは、あの森小屋での出来事…。
…容姿端麗で…透き通った声色…タバコの匂い……ラビと同じ瞳の色…。
…ラビと…同じ…。
ガタンッ…!
アリスは突然勢いよく立ち上がると、早足で扉に向かった。