ブラッディ アリス


ミカエルは目を細めて不満そうにアリスを見つめる。


「…酷かったって何よ?だいたいあの時は私だって忙しかったんだから…」

「どうせベルアベスタ家で拷問でもしてたんだろ?」

「し…してないわよ!ミカエルじゃあるまいし!」

「俺は拷問なんてしたことねぇよ!」


ホテルの廊下で言い合いを始める二人…。


「まぁまぁまぁ…二人とも落ち着きなさい。…ほんっと…仲がいいわね」

イザベラがそれぞれの肩をポンッと叩くと、二人の興奮は徐々に静まった。

そんな普段とは違ったアリスを、微笑みながら見ているラビ…。


「…はぁ…。なんでこのような野蛮な方と、私はグループが一緒なのかしら」

アリスはそう言い残すと、一人スタスタと歩いて行ってしまった。

「…失礼いたします」

ラビは二人に軽く礼をし、アリスの後を追いかける。


「…あれじゃ…執事も大変ね…」

その光景を眺めながら、ため息をつくイザベラ。

そして目を逸らしているミカエルに顔を近づけ、頭をポンポンと軽く叩く。


「少しは素直になりなさい。じゃないと…奪われちゃうわよ?王子様に」



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