ブラッディ アリス




…ポーン…。



「…落ち着け…アリス」

エレベーターに乗った瞬間、ラビは呆れたような顔をしてアリスを宥めた。

「…十分落ち着いてますわ…」

明らかに不機嫌そうなアリスは、ラビの目を見ようとしない。

「…感情的になるな…」

「なってませんわ」

「……」




「ふぅ…」


ラビはアリスに聞こえるようにため息をつくと、ガラス張りのエレベーターからアルデバランの夜景を眺めた。

そんなラビをさりげなく伺うアリス…。



どこから来たのかも…何者かもわからない一匹の兎を、少女は疑いの眼差しで見つめる。

そう…ずっとそう見つめ続けてきた…。


気にしていないフリをしては、不審を抱く視線を向けて…。







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