ブラッディ アリス


「お父様は…おりませんの…?」

アリスは不思議そうな顔でルナリアに尋ねる。

「…どうやら…アリスが今一番気がかりな人物を探しているみたい…ですわね」

「…!」

ルナリアはにっこり笑うと、目を丸くしているアリスにウインクして見せた。


ちょうどそこに、エレベーターで降りてきたイザベラとミカエルが到着。


「…全員揃いましたね。…では…始めましょうか…」

ウィッシュとアンディビッヒはお互いを見て頷くと、早足で会場へと向かう。

「行きましょう、アリス。みんなが待ってますわ」

ルナリアは少し強引にアリスの手を引くと、会場まで歩き始めた。



「…」


アリスは静かに心を落ち着かせる。


目前の戦場に挑むような瞳をしながら…。






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