ブラッディ アリス
「…そんな顔しないで…アリス…。リナリアも…ウィン様も、あなたの行い全てを…ちゃんと見守っているし、二人とも…あなたの気持ちをよく理解しているわ…」
アリスがしていること全てを見透かしたように、ルナリアは言う。
「…伯母様…知って…?」
だんだん青くなるアリスの顔…。
「…あと三度…かしら?…大丈夫よ。今までの4人はちゃんと冥界に導かれていったから」
その言葉を聞いたアリスの全身に、一気に鳥肌が立つ。
「…恐れなくていいわ…アリス。あなたは母の意を受け継いだ…。それだけのことです」
ルナリアは真剣な顔をして、アリスの震える手をそっと握る。
「お…伯母…様…」
恐る恐るルナリアの顔を見るアリス。
そんなアリスに、ルナリアは力強い笑みを返す。
「本当に残酷な…『ゲーム』ね。…でも…いつかは誰かが挑まなくてはいけないものだった…。本当はアベル家に嫁いだリナリアの役目…だったのでしょうけど…。仕方ないわ。先手を打たれてしまったのだから…」
一つ一つが胸に突き刺さる言葉。
アリスの目からは涙がこぼれる。