ブラッディ アリス



アリスの異変に逸早く気づいたラビは、すぐにアリスに近づいてきた。

「どうなさいました?アリス様」

ラビがアリスの元に来たことで、メンバー全員がアリスの方を向く。


「アリス…?!」

泣いているアリスを見たミカエルは、勢いよく席を立つ。


「…私と母親を重ねてしまって…悲しくなってしまったみたいですわ…」

不安そうに見つめるメンバーとラビに対し、ルナリアは申し訳なさそうに伝えた。


「なるほど…。やはりまだ辛いんだね…アリス」
ウィッシュが同情の言葉をかける。

「隣の個室で休むか?アリス」
レウムが心配そうにアリスを見つめる。

「ふん…。所詮まだ子どもか…」

アンディビッヒの一言に、アリスはピクリと反応する。

「…アリスはもう立派なレディですよ…アンディビッヒ様」
クラウドは呆れたように言うと、ゆっくりと席を立ち、アリスの元へ歩く。

そしてアリスの横に手を差し伸べ、イザベラに合図を送る。

「アリス、イザベラにメイクを直してもらっておいで」

「…そうね」
イザベラも席を立ち、その場に立ち尽くすミカエルの肩をポンッと叩いた。

「行くわよ、アリス。私がもっと美人にしてあげるわ」




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