ブラッディ アリス


アリスは小さく頷くと静かに立ち上がり、俯きながらイザベラの元に向かった。

「アミ!一緒にいらっしゃい!」

「はい!」

イザベラに言われ、普段からたくさんのメイク道具を備えている執事のアミは、素早く二人の後につく。

「失礼いたします」

ラビもメンバーに軽く一礼をすると、アリスの後を追った。




「…さすがですわね、クラウド。…ありがとう…」

ルナリアは申し訳なさそうに笑みを浮かべ、クラウドを見つめる。

「…礼には及びませんよ。我が愛しきルナリア様」

クラウドは優しく微笑み返し、自分の席に戻って行った。


「アリスがまだ子どもなのは事実です。そして、私たち大人には彼女を支える義務がある」
一人静かに食事を続けていたセイレンが、冷静な態度で全員に告げる。

「そうね…。ちゃんと見ていてあげなきゃ…ウィンに怒られちゃうわ…」
その言葉に、切ない表情で頷くフォルチュナ。


「…」

アリスが去った後の席を、ミカエルはしばらくじっと見つめていた。







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