ブラッディ アリス






「さて…カジノなんて久しぶりですわね…」


普段の雰囲気に戻ったアリスは、堂々とした態度でラビの横についた。


エレベーターを降りてすぐに立ちはだかる、大きな扉。

そこから漏れる、賑やかな歓声…。


扉の横に立つ従業員はにっこりと微笑むと、その扉を静かに開いた。



シャラン…。

金色の豪華な服を着た女性が、ちょうどアリスの目の前を通る。


「あはははは」

室内の所々で湧き上がる笑い…。



タウルス国主要都市アルデバランで一番のホテル…。

もちろんそこに宿泊するのは、ほとんどが貴族である。


「見たことある顔が、大勢いますわ」


アリスは眩しく華やかに飾られた室内の全貌を見渡すと、ニヤリと笑った。






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