ブラッディ アリス
「…なるほど」
どこかで聞いたことのある声が、アリスのすぐ横で呟いた…。
「…ソーディル様?!」
見上げるとそこには、冷めた目でボックスを見つめるソーディルが立っている。
「もっと賭けたらどうです?二人で挑むのであれば、勝利する可能性は高いでしょう?」
ソーディルはチラッとアリスの顔を見ると、回るゲージに目を向けた。
「…お言葉ですが、ソーディル様…。まずは手始めに今宵の運を計っているだけですわ」
アリスはそう答えると、目線をゲージに戻す。
「…ふっ…。どうやら…普段のあなたに戻られたようですね…」
ソーディルは鼻で笑うと、アリスの隣の席に腰かけた。
…カラン…。
ゲージが止まり、3つのサイコロがゲージの底で目を表す。
「…3…3……5…。合計、11です」
ディーラーは静かにそう言うと、アリスとラビに賭けたチップと同じ枚数を差し出した。
アリスとラビは顔を見合わせて、ニヤリと笑う。
「ちょうど良いですわ、ソーディル様。…三人で勝負なさいませんこと?」
アリスは思いついたように言うと、隣に座るソーディルを見た。
「…と、いうと?」
ソーディルはテーブルに肘をついて、目だけをアリスに向ける。