ブラッディ アリス
「ディーラー…特別ルールでお願いいたしますわ」
アリスは笑顔でディーラーに告げると、テーブル上のボックスを確認。
「三人で、10セットプレイ。全てが終わり、獲得チップの合計が一番多い者が勝者。…今出た目が…3、3、5…。私かラビが勝ったときは、敗者二人は勝者の獲得したチップの30倍を払う。…そして、ソーディル様が勝てば、私たち二人はそれぞれ…ソーディル様の獲得したチップの50倍を払う…。同額者がいた場合は、敗者一人が勝者二人に払う。…いかがかしら?」
「…つまり…私が勝てば、賭けた分の100倍が…アベル家から手に入ると…?…それで…いいんですか?」
ソーディルはアリスにそう尋ねると、パチンと指を鳴らした。
「ええ。そうでもしませんと、あなたに遊んでいただけませんもの。…あなたを勝たせなければ、こちらに損はありませんし」
ソーディルの後ろで待機していた執事のジュラが、ゲーム参加用のチップをテーブルに置く。
「…わかりました…。私も今宵の運試しといきましょうか」
アリスはにっこり笑うと、ディーラーに目で合図をした。