ブラッディ アリス


「始めますよ。アリス」
ソーディルは三人に構わず、淡々と手を動かす。

すでにボックス内には、ソーディルの賭けたチップが置かれている。

「あ…はい…。えっと…」

「僕は、これで」
悩むアリスを横目に、ラビがチップを置く。

「あら…攻めるわね…ラビット」
イザベラがラビのベットを見つめ、関心したように微笑む。


そしてアリスもベットを終え、いよいよ三人の勝負が始まった…。


「スピン」

ディーラーが合図をし、ゲージが回る。


と、その時…「きゃー!」という複数の女性の歓声が沸きあがった。


「え?」

「…なに?」

一斉に声の方を見る場内の人々。


「はぁ…。ギャンブル界の貴公子のご登場ね…」
イザベラが大きくため息をつく。


カジノの入り口から颯爽と現れたのは、他でもない…。


ファンクラブまである、あのクラウドだ。




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