ブラッディ アリス


「きゃー!!」
「クラウド様ー!」

…どう見てもファンクラブに入会しているだろう女性陣が、入り口付近でクラウドを取り囲む。

「他人のフリをしておけばいい…」
アリスの横で平然としているソーディルが、転がるダイスを見ながら言う。

「…無理でしょ…」
そんなソーディルに言葉を返すミカエル…。

「あはははは!あなたたちホント…名コンビね」
イザベラは二人の会話にまたも笑い出す。

その横で、クラウドに群がる女性陣を少し引き気味に眺めるフォルチュナ…。

「あ、クラウド…私たちに気づいたみたい…」


次の瞬間、ゲージの動きが止まった。


「…4…4…4…。トリプル…ということで、皆様のチップは没収となります」

ディーラーは笑顔で三人のチップを引き下げる。


「…ちっ…。クラウドのせいで…」

「いや…べつに…クラウド様のせいではないでしょう?ソーディル様」

不満そうなソーディルに、ミカエルは最もな言葉を返す。

そしてまた、イザベルが大笑いをする。


そんなやり取りを楽しそうに見るアリスを、ラビは隣で穏やかに見つめていた。







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