ブラッディ アリス
「…半年くらい前かな…。一人の侯爵が…僕の屋敷に訪ねてきたんだ…」
ゆっくりと語りだすカルサの脳裏に、ここ数ヶ月間の出来事が一気に甦る…。
とある満月の夜…一人の女侯爵が、カルサの屋敷にやってきた。
女は清楚な身なりで、丁寧に挨拶をする。
「お初にお目にかかります。私、リトルメラ家当主…ラミア・ネネ・リトルメラと申します。先日…こちらに越して参りました。よろしくお願いいたします」
カルサはそんなラミアに好印象を抱き、屋敷へ招き入れた。
最初は国の話や街の話…そんな世間話から始まった二人…。
やがてラミアは、自分の意思をカルサに伝えた。
「貧しい子どもたちを、どうにか支援したいと思い、この国に来ました」
そしてラミアは、村落が集合している地域『ルクバト』にある森林地帯を買収したいと言い出した。
その理由を尋ねるカルサに、ラミアは優しく微笑みながら答える。
「子どもたちのために、教育できる施設を建てたいのです」