ブラッディ アリス
ラミアの言葉に感動したカルサは、次の日すぐに手続きをし、あっけなく森林を引き渡してしまった。
「一応僕の家の所有地だったけど…とくに何かに使う予定もなかったし…」
カルサは言い訳するように、アリスに告げる。
「…それで?」
アリスは両腕を組み、せかすようにカルサを見つめた。
「三ヶ月くらいで、施設は完成した。…見に行ってみると、本館と、別館が二つ…。あとは宿泊するための大きな建物があった…」
ラミアはその施設をこう名づけた。
スイーツホーム…『お菓子の家』…と。
それからラミアは村落を周って、施設を紹介し始めた。
「私が子どもたちを立派な人間に育てます。そして子どもを預けてくださった親御様には、お礼を差し上げます」
ラミアは子どもを預けた家に、寄付金としてお金を配った。
「…ちょっと待ってくださいませ…」
アリスは呆れた表情で目を細める。
「それって…人身売買じゃん…」
ずっと黙って話を聞いていたミカエルが、突然口を開いた。