ブラッディ アリス


ミカエルの言葉とアリスの表情に、カルサは青ざめる。

「や…やっぱり…そうな…んだ…よね?」

そんなカルサを見るなり、目を合わすアリスとミカエル。

「んー…まぁでも、直接その侯爵に話を聞いてみないと…なんともなぁ」
ミカエルはさりげなくフォローをするが…。

「いや…私たちに相談するくらいですもの。恐らく相手が面会を承諾しないとか…手を打てない状態なんでしょう?」
少しイラついたように、アリスは言い切った。

「う…うん…。国の貴族たちは…『好きにさせとけばいい』って言うし…。村落の人たちも僕の話を聞こうとしないし…。もう…どうしたらいいのか…」

「………」



アリスの脳裏に一瞬…ある人物の顔が浮かぶ…。


「…わかりましたわ…。そろそろ戻りますわよ」

そう言うとアリスは立ち上がり、さっさと部屋を出ようとした。

「アリス…怒ったの…?!」
焦ったようにカルサがアリスを追いかける。



「…怒ってなんていませんわ」






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