ブラッディ アリス
ドアの前で立ち止まり、振り返ったアリスは微笑む。
「…大丈夫。来週、私がサジタリウスに参りますわ。ただしお二人とも、この話は口外しないこと。アンディビッヒに知られたら…また何を言われるかわかりませんもの…」
「そうだな。ここだけの話で済むなら、そうした方がいいな…」
アリスの意見に大きく頷くミカエル。
「よしっ!俺も行く!この案件は、俺ら三人…ゾディアック『火グループ』で解決しようぜ!」
突然張り切り始めたミカエルに、アリスの表情が一気に醒める。
「…ミカエルは来なくて結構ですわ。私が『サラマンドラ』として処理いたします」
「えっ?!…おい!…お前はなんでいつも自分だけでやろうとすんだよ!」
「私には優秀な執事が就いてるもの…!それで十分よ!」
険悪な雰囲気になりつつある二人を、苦笑いで見ているカルサ…。
少し安心したように「ふぅ」と小さくため息をつく。
「なんのためのグループだよっ!たまには頼れよ!」
「バカじゃないの!最初からカルサは私だけに頼りたかったのよ…!」
「…っ」
アリスの一言に、一瞬カルサは目を見開いた。