ブラッディ アリス
「そう…私だけに相談したかった…。つまり、私だけに国に赴いて欲しかった…。違いますの?カルサ」
何かを見透かしたように、アリスはニヤリと笑う。
「……アリス…」
カルサの心臓の音が、体中にドクンッと鳴り響く…。
「…いや…その………」
ドクン…ドクン…。
カルサの背中は徐々に冷や汗をかく…。
「そんなんじゃねぇだろ。今まで何でもアリスに相談してきたからだろ?」
ムッとした表情でミカエルがカルサに尋ねる。
「…はは…。まぁ…そんなとこだよ…」
明らかに様子のおかしいカルサは、なんとか笑顔をつくり、ミカエルに答えた。
「…ふん…。まぁいいですわ。とりあえず、急いで戻りましょう」
アリスはカルサの様子を怪しみながらも、一人で先に部屋を出て行ってしまった。
アリスがいなくなった直後、ミカエルがじっとカルサを見つめる。
「…なぁ……もしかして…カルサって…」
「…え?」
引き気味のカルサは2・3歩後ずさる…。
そんなカルサに対し、真顔で距離を縮めるミカエル…。
「…アリスが好きなのか?」
「………」
ミカエルの言葉に、カルサは安堵の笑みを浮かべた。
「安心して…。それはないから…」