ブラッディ アリス
ベルアベスタ家の森小屋で出逢った…ラビの従者仲間という…ラビと同じ深紅の瞳を持つ男…。
…『ジャック』…。
「ふ…っ。相変わらずですね…」
ジャックはアリスの拳銃を握り、クスクスと笑った。
「…放してくださる…?ちゃんと…ご挨拶したいですわ…」
アリスも余裕の表情でジャックに囁きかける。
「………」
甘いタバコの匂い…。
そこに混じる…海を思わす爽やかな香水の香り…。
「そうですね。失礼しました」
ジャックはアリスの体から手を離す。
「…意外ですわ。あなたがこんな積極的な方だなんて」
アリスはすぐさま振り返ると、ジャックの腹部に拳銃を突きつけた。
「私も一応、男なんで。美しい薔薇を見ると…ついね…」
大きな薔薇が飾られたアリスの頭上には、すでに銃口が向けられている…。