ブラッディ アリス



泣き止んだキオネは恥ずかしそうな顔で笑った後…「ぜひ泊まっていって」と言い、二人を二階へ案内した。


「こちらの部屋は王子がお使いくださいませ。アリスはこっちですわ」

「あれ?一緒の部屋でいいのに」

カイルがそう呟くと、一瞬キオネは眉間にシワをよせた。

「バカ言わないで。ねぇ…キオネ?」

アリスはキオネの反応をいち早く察知。

「…ふふ…本当に仲がよろしいんですのね…。ですが大切なお客様を相部屋にするわけにいきませんわ」

キオネはすぐ笑顔に切り替えて、自分のペースに引き戻した。

なんだか楽しそうに歩くキオネは、アリスのための部屋を見せた後…自分の部屋に招く。


「変わってないのね…この部屋」

アリスは慣れたように部屋のソファーに座る。

さりげなくカイルのそばについているキオネは、なんだかんだと部屋にあるものをカイルに見せる。

「素敵なベッドだね…」

「王子…よろしければ横になってみてくださいませ…」

カイルのスイッチは当然のごとくオン。
慣れた仕草でキオネを誘惑する…。



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