ブラッディ アリス
Ⅳ
泣き止んだキオネは恥ずかしそうな顔で笑った後…「ぜひ泊まっていって」と言い、二人を二階へ案内した。
「こちらの部屋は王子がお使いくださいませ。アリスはこっちですわ」
「あれ?一緒の部屋でいいのに」
カイルがそう呟くと、一瞬キオネは眉間にシワをよせた。
「バカ言わないで。ねぇ…キオネ?」
アリスはキオネの反応をいち早く察知。
「…ふふ…本当に仲がよろしいんですのね…。ですが大切なお客様を相部屋にするわけにいきませんわ」
キオネはすぐ笑顔に切り替えて、自分のペースに引き戻した。
なんだか楽しそうに歩くキオネは、アリスのための部屋を見せた後…自分の部屋に招く。
「変わってないのね…この部屋」
アリスは慣れたように部屋のソファーに座る。
さりげなくカイルのそばについているキオネは、なんだかんだと部屋にあるものをカイルに見せる。
「素敵なベッドだね…」
「王子…よろしければ横になってみてくださいませ…」
カイルのスイッチは当然のごとくオン。
慣れた仕草でキオネを誘惑する…。