ブラッディ アリス
「…ふふ…嬉しいですわ。ぜひまたお会いしたいと思っておりましたの」
微笑むアリスに、微笑み返すジャック…。
二人とも銃をしっかりと握り締め、目を逸らさないよう相手をじっと見つめる。
「…私を追ってくるほど…ですか?」
「…あら…追ってきたのはあなたの方でしょう?」
アリスはにっこりと笑った。
「今日のことは…カルサ・レイオブ・ラピスラズリ…にでも聞いたのかしら?」
その一言に、一瞬ピクッと反応したジャックの体。
その動揺を、アリスは見逃さない。
「なぜ…ラピスラズリ公爵だと…?あなたの従者…ラビだとは思わないのですか?」
そう…ベルアベスタ侯爵家の一件では、たしかにラビが裏でジャックと連絡を取り合っていた…。
アリスはその事実を知ったときの状況を、脳裏に巡らせる…。
「ふふ…。その可能性も…十分あると思いますわ…」