ブラッディ アリス
だが…アリスには、ジャックとカルサの繋がりに確信があった。
「ですが、あなたとカルサは確かに今日会っていた…。恐らくカジノで…ですわね」
アリスは軽く息を吸い込むと、『あの匂い』を確かめた。
「…カルサから、あなたのタバコの匂いがしてましたわ…」
カジノでカルサに会ったときから、気になってた匂い…。
会話の途中…その匂いが何なのか気づいた瞬間、アリスの中に一つのシナリオが浮かんだ…。
「…あれは…わざとかしら?…それとも…自分では気づかなかった?」
カルサとジャックが会っていた。
カルサはもともと自国の問題をジャックに話していたのだろうか…。
恐らく裏があるだろう、あの女侯爵の人身売買の問題に…何らかの形でジャックが絡んでいるとして…。
カルサに…「アリスだけを国に呼べ」などのことを言った…。
アリスは頭の中で…その筋書きを繰り返す…。