ブラッディ アリス



アリスはゆっくりソファーに近づき、ラビと少し距離をおいて座った。

ラビはアリスの分のワインを注ぐと、アリスに差し出した。


「…ありがとう…」

アリスはそれを静かに受け取ると、ワインを一口含んでグラスを置いた。


「…で?」

ラビはそう言うと立ち上がり、勢いよくアリスを押し倒す。

「…何を許さないの?…何を自分で決めたの?」

少し寂しそうな表情のラビは、ゆっくりとアリスの唇を指でなぞる。

「ラビ…」

アリスはさりげなくラビの腕を押さえ、目を逸らす。

そんなアリスを見たラビは「ふっ」と笑うと立ち上がった。


「入浴の準備してるあるから。…たまには一緒に入ろうか…」



アリスはコクンと頷くと、体を起こし何も言わずバスルームに向かった。



< 186 / 657 >

この作品をシェア

pagetop