ブラッディ アリス
アリスはゆっくりソファーに近づき、ラビと少し距離をおいて座った。
ラビはアリスの分のワインを注ぐと、アリスに差し出した。
「…ありがとう…」
アリスはそれを静かに受け取ると、ワインを一口含んでグラスを置いた。
「…で?」
ラビはそう言うと立ち上がり、勢いよくアリスを押し倒す。
「…何を許さないの?…何を自分で決めたの?」
少し寂しそうな表情のラビは、ゆっくりとアリスの唇を指でなぞる。
「ラビ…」
アリスはさりげなくラビの腕を押さえ、目を逸らす。
そんなアリスを見たラビは「ふっ」と笑うと立ち上がった。
「入浴の準備してるあるから。…たまには一緒に入ろうか…」
アリスはコクンと頷くと、体を起こし何も言わずバスルームに向かった。